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池袋アートギャザリング公募展
IAG AWARDS 2021 EXHIBITION
21/07/14[水]-21/07/19[月] @ 東京芸術劇場 5F Gallery1

ガラス作家
山田真由 / Mayu Yamada 

● 主な技法:キャスティング 研磨

「vague」は曖昧な、はっきりしないという意味の言葉である。
自分の望む在り方は男女という枠に当てはめないと在り方だ。
そうした自分の望む在り方に当てはまる言葉だと思ったためタイトルにこの言葉を使った。
作品自体も、何かをイメージさせられるような、しかしはっきりとその何かが分からないような在り方を目指した。デフォルメされた形や、ガラスの放つ存在感の二つの観点からそういった在り方が感じられることを目標として制作した。
ガラスの持つ独特な質感や存在感が何によって感じられるのかを考え、それらはガラスの光の通し方やそれによって起こる反射によって感じられると私は思い至った。
キャストした際のガラスの粒の大きさによって泡の量が変わり、その泡の量によって光に当たった時のガラスの表情や透明感、光の通し方が変化する。また研磨した表面の磨き具合によっても同じように見え方が変わる。そうした表情たちによってガラスの在りようから曖昧さやぼんやりした様子が彷彿とさせられるように作品作りを行った。
人間は分からない事やものに対して恐怖を抱き、遠ざける傾向にあると私は今まで生きてきた中で感じる。私がテーマとして扱ってきたジェンダーなど様々な差別に関する問題でも同じ事が起こっていて、それによって抑圧が生まれている側面もあるだろう。
分からない物事を、分からないから怖いで終わらせない事があらゆる差別に対する最初の一歩なのではないかと私は考える。
分からないことを怖がる事や遠ざける事は当人の意識がまず改善されるべきところであるが、分からないこと自体に親しみやすさやポジティブな感情を覚えることができたらより怖がることや遠ざけることがなくなるのではないかと考えた。そのため作品も、なんだか分からないものだが心地の良く、そこにあることが自然であるようなものを目指した。

山田真由

山田真由 Profile

1996年 神奈川県生まれ

多摩美術大学大学院 博士前期課程 美術研究科 工芸専攻ガラス研究領域 修了

◆受賞歴
2018年 SICF19 入選
2021年 IAG AWARD 入選
2021年 SICF22 入選
2022年 いい芽ふくら芽 入選
2022年 メタセコイア・キョウマチボリ・アートフェア2022 服部滋樹賞、吉田貴紀賞

◆展示歴
2018年 SICF19(spiral)
2019年 多摩美術大学美術学部工芸学科 卒業制作展 「feu」(spiral)
2021年 多摩美術大学大学院 修了制作展(多摩美術大学八王子キャンパス)
2021年 IAG AWARD 2021(東京芸術劇場)
2021年 SICF22(spiral)
2021年 EQUALOOM(EQUALAND SHIBUYA)
2022年 いい芽ふくら芽in TOKYO(上野松坂屋)
2022年 メタセコイア・キョウマチボリ・アートフェア2022(大阪 京町堀)
2022年 Boon2エキシビション(san-ai-gallery)

◆インフォメーション
1996年 神奈川県生まれ
2015年 多摩美術大学美術学部工芸学科 入学
2019年 多摩美術大学美術学部工芸学科 卒業
多摩美術大学大学院美術研究科工芸専攻ガラス研究領域 入学
2021年 多摩美術大学大学院美術研究科工芸専攻ガラス研究領域 修了