彫刻家
蔦本 大樹 / Daiki Tsutamoto
● 主な技法:金属線
INVISIBLE MOON series
私の作品は一貫して生物をモチーフに、針金、ワイヤーと呼ばれる「線材」を用いて制作している。
生物の生きた姿を見た時に感じる強烈な生命力の根源は何なのか、この感覚を作品として昇華させるにはその生物が進化し、生きてきた時間を示す必要があると考えた。
線材を編み重ねることで徐々に増す密度と重みは、体が成長する度に増える細胞や時が経つことで積み重なる年輪のようであり、生命を形成する過程を示している。
モチーフとして選んだ「クラゲ」は線なのか塊なのか、ふわふわと曖昧な存在である。透けた体とゆらゆらと漂う姿には軽やかな印象を与えるが、その複雑な形状や動きには重厚な生命力を感じざるを得ない。暗い海に浮かび、光を放つ生命の塊はまさに「海月」と言う名に相応しい。私の感じる命の形を線によって再構成し、圧倒的存在感を示す。
蔦本 大樹 Profile
1995年 兵庫県生まれ
神戸芸術工科大学大学院 芸術工学研究科 総合アート&デザイン専攻 修士課程 修了
◆受賞歴
2015年 第2回全国妖怪造形コンテスト 入賞
2017年 第4回全国妖怪造形コンテスト 佳作
2018年 神戸芸術工科大学卒展カオス2018 学科賞
2019年 新世代造形大賞 池上賞
2020年 神戸芸術工科大学卒展カオス2020 学長賞
2020 IAG AWARDS 2020 池袋アートギャザリング 奨励賞 八犬堂ギャラリー賞
2020 SICF21 林千昌賞
◆展示歴
2017年 十点展 Gallery8 (兵庫)
2020年 おもにサメ展2 カフェギャラリーきのね (大阪)
2020 IAG AWARDS 2020 池袋アートギャザリング 東京芸術劇場 Gallery 1 (東京)
2020 ヤングアーティスト旋風 アートアートアート 松坂屋名古屋店 美術画廊 南館一階オルガン広場(愛知)
2020 SICF21 スパイラルホール(東京)
2021 「アートのチカラ」 伊勢丹新宿店 アートギャラリー(東京)
2021 「いんすぴ これやん展」パークホテル東京 Corridor Gallery 34 (東京)
2021 「恐竜展」伊勢丹浦和店美術画廊(埼玉)
2021「SICF21 Winners Exhibition」スパイラルホール(東京)
◆インフォメーション
私は「生命力」をキーワードとし、彫刻として提示している。
幼少期、美術の教科書で見た縄文土器に強い影響を受け、「線」が積み重なってできた造形や文様に強い生命力を感じるようになった。
この「力」の正体は何なのか。
同じく強い生命力を感じる生物をモチーフに模索し続けてきた。
近年は「木の年輪」や「分裂する細胞」のように、生きた時間を記録した造形をヒントに「時間」や「蓄積」を感じる表現を追求している。