グラフィックデザイナー
田村 育歩 / Tamura Ikuho
● 主な技法:デジタル/印刷
妖怪を題材にしたB1ポスター。計8枚。
妖怪のデザインは、言葉が様々なメディアを介しながら何百年にもわたり受け継がれることによって完成してゆく、いわば「記憶のデザイン」だと私は考える。時代を追うごとに、彼らの見目形は文化や世相を反映させながら、最適化されてきた。但し、現代において妖怪は存在し得ないものとハッキリと認識され、その最適化が著しく後退しているのではないかと思う。その現状を踏まえ、彼らの居場所は希薄なものになりつつあるのではないかと考えた。だとすれば、ポスターという居場所を探す特性の強いメディアに、彼らの姿を映すことは、彼らの居場所を作る行為に等しいのではないだろうか。