揚野市子 / Ichiko Ageno
● 主な技法:写真を使用したインスタレーション
私は「TRACE」というシリーズタイトルのもと、地球上の自然や人々の営みを記録する地球を「なぞるプロジェクト」を制作しています。本シリーズは作者の視点を三脚の軸として周囲をぐるりと写しとるスタイルが特徴で、フィルムカメラを使用して精細にTRACEし、ひとつながりの風景として構成しています。
カメラは記録するメディアです。肉眼でとらえられない一瞬を写しとることができますが、複数枚で構成することで一つの作品の中に時間の経過を表現することもできるのです。横に繋がれた写真それぞれに瞬間が写し込まれ、風景を「見渡す」という行為の中にも時間が経過していることをあらためて意識します。
写真により制作された風景は人々の記憶の轍となり、制作者と鑑賞者が視覚的な体感を共有することができるのです。
今回の展示作品は、池袋モンパルナスにゆかりのある上野を撮影。透明フィルムには2020年・2021年、コロナ禍2年分の桜を写し込みました。
揚野市子 Profile
1969年 千葉県生まれ
セツ・モードセミナー 卒業
芸術研究科芸術環境専攻(千住博ラボ) 修了
◆受賞歴
2019年 アートオリンピア2019東アジア文化都市優秀賞
2019年 枕崎国際芸術賞入選
2021年 Hariban Award2021奨励賞
◆展示歴
2019年 京都造形芸術大学 修了制作展 (京都造形芸術大学瓜生山キャンパス/京都府)
2019年 アートオリンピア2019 (としまセンタースクエア/東京都)
2019年 枕崎国際芸術祭 (南溟館/鹿児島県)
2020年 池袋アートギャザリング(東京芸術劇場)
2021年 個展「TRACE Place of prayer」(フジフイルムスクエア/東京ミッドタウン)
◆インフォメーション