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KENZAN202121/09/22[水]-21/09/26[日] @ 東京芸術劇場

芸術家
水口麟太郎 / RINTARO MIZUGUCHI [Gallery2]

● 主な技法:グルーガンアート等の樹脂作品

現在制作している、檻(Cage)で包む(Pack)を意味する、PacCageシリーズは、私がフランスでアーティストとしての活動を始めた時より続けているグルーガンアートの最新版です。
質、温度、ストローク表現を突き詰めることで、接着剤としてのホットグルーを超えて、グルーそのものの形が主役となる作品を制作しています。
作品は表面を黒漆でコーティングしてあります。これは柔らかすぎて自立出来ず、傷もつきやすいものの、高い粘度による表面張力が生み出すエナメルのような美しいテクスチャーを完璧に保存し、ジュエリーのように複雑な光の反射を作り出す仕掛けでもあります。裏側の純金箔はグルーによって熱転写されていて、漆の鋭い反射光とは対照的に柔らかく光ります。ただの接着剤が生み出す様々な表情のテクスチャーを、アート作品の長期保存、価値の付加の観点から考察、漆と純金箔のコーティングによる黄金の茶室のような分かりやすいほどの価値の引き上げが、アートの本質を鑑賞者に問う作品を目指しています。
形状による価値の本質を考えたときに、モチーフとしたのは安価で量産されるプロダクトでした。プロダクトの形状はコストパフォーマンスや量産性を重視した成果物であり、それらのデザイン性から鑑賞した際には、非常に完成されたフォルムであることがわかります。そして、その高い完成度とは裏腹に、消費者に安っぽさという観点を持たれることになります。安さを追求したデザインなのでそれは間違ってはいません。では、鑑賞するポイントによってこれほど価値を変化させる量産的プロダクトの形状のどこがすごいのかというと、その形状が人々にとってのアイコンとなっているという点です。例えば、アルコール消毒用のスプレーについて考えると、激安スーパーの店頭と、高級フレンチレストランの店頭には同じ形のものが設置されています。これは現代においてアルコール消毒スプレーの形状が目印的なアイコンとして浸透した結果で、安易に形を変えることのできないものとして、量産的プロダクトとしての形状を超越した価値を与えられた結果だと思っています。
グルーガンによる安価だが複雑なテクスチャーは、モチーフの価値を見通し辛くし、それを漆と純金箔のコーティングが安易な価値の引き上げを行うことで、本質的な価値から遠ざけていますが、モチーフ以外の、例えば俯き佇む人物のように見えてくるなどのエンターテインメント性も一つの価値のあり方だと思います。

水口麟太郎

水口麟太郎 Profile

1994年 東京都生まれ

0東京造形大学造形学科インダストリアルデザイン先行領域 卒業

0Ecole-Boulle Paris国立工芸学校 Desiner Produit科 中退

◆受賞歴
入賞|第57回学展
ARTEC賞|ARTEC EXPOSITION
最優秀賞|辻仁成Design Stories主催 第3回アート&デザイン新世代賞
ファイナリスト賞|Spectrum Brooklyn award 2021
東武百貨店ギャラリー賞|IAG AWARDS 2021
C-DEPOT賞|IAG AWARDS 2021
四季彩舎賞|KENZAN2021
KONOYO賞|KENZAN2022
roid works gallery賞 |KENZAN2022

◆展示歴
2022
One Art Taipei 2022 | 台北西華飯店
New Surface展 | 大丸東京店
個展 海とビニール生命 | DiEGO表参道
大現代アート展 | 松坂屋船橋店
KENZAN2022|東京芸術劇場
Stillness and Movement | YUKIKO MIZUTANI Gallery
個展 麟太郎展 憧想生命 | YUGEN Gallery



2023
ブレイク前夜展 | GINZA SIX Artglorieux

Art in Tokyo YNK | 東京スクエアガーデン

shirokuro+展|新宿伊勢丹アートギャラリー

ONBEAT ART SHOW GINZA | 銀座三越
ブレイク前夜展in金沢 秋元雄史セレクション| ASTER Gallery
ブレイク前夜展in原宿 | Empathy Gallery
KOGEI Art fair Kanazawa | ハイアットセントリック金沢
アートのチカラ | 新宿伊勢丹アートギャラリー

2024
ONE ART TAIPEI 2024 | JR東日本大飯店台北
水口麟太郎個展 三毒トイボックス | 四季彩舎
二人展 CELL | GINZA SIX 蔦屋書店 アートスクエア
Selected ART | 東急百貨店たまプラーザ店
Osaka Art&Design 2024 | 大丸梅田店
D-art,ART | 大丸札幌店

◆インフォメーション
1994年東京生まれ。
東京造形大学インダストリアルデザイン科卒業。
大学在学中にフランスと日本を行き来しながら作家活動を開始。大学卒業後はパリのEcole-Boulle国立工芸学校の招致を受け、同校にてデザインを学ぶ。
近年では「KAIJU」をテーマに掲げ、様々な樹脂や塗装技術、特にグルーガン(熱可塑性樹脂)を使用し、人間の持つ空想世界を表現した作品を展開する。
2018年、フランスのアート誌Spotlight -Contemporary art magazine-にて「国際的評価を受ける56 人のアーティスト」に選出、同年パリで開催された自身初の個展は日仏友好160周年事業ジャポニスム2018の認定企画に選出される。
辻仁成氏主催の「第3回アート&デザイン新世代賞」にて最優秀賞を受賞、他受賞多数。
百貨店での展示を中心に、アートフェア等の展示会にも積極的に参加している。

2022年BSフジ「ブレイク前夜~次世代の芸術家たち~」出演。

2023年テレビ東京「東京交差点ONE MOMENT」出演。