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たんざく展@新井画廊22/07/11[月]-22/07/23[土] @ 新井画廊

田代 ゆかり / Tashiro Yukari []

● 主な技法:版画 コラグラフ技法

【技法の開発きっかけ】
私は自身で開発した版画技法である紙式メゾチント技法を用いて制作をしています。
技法開発へのきっかけは、版画を広めたい気持ちからでした。私は大学生時からメゾチント技法を用い制作を行なっていました。大学の卒業後、中学・高校の美術の講師を行なう中でメゾチント技法を授業で行ないたい気持ちになりました。しかし、伝統的なメゾチント技法は材料が高価で技術的にも難易点が多く授業で行なうには多くの壁がありました。そこで中学生や高校生でも理解できる教材を目指す過程で紙式メゾチント技法が生れました。紙式メゾチント技法は凹版画のコラグラフ技法の一種になります。新たな点は、版に紙やすりを使用することでメゾチント技法に類似した均一な色面を時間短縮して表現でき、また製版にメディウムを塗布し明るさの段階を表現できる点になります。自身で開発した版画の紙式メゾチント技法を中学・高校の美術の授業で行い、そして自身の制作でも使用しています。

 【作品への考え】
夜景を描き始めたきっかけは、失恋した知人の話を聞いていたときに、知人からふとでた「彼女の家の近くのインターとか通り過ぎるだけで辛い。」という言葉からでした。(画像2)同じ景色も見る時の思い出で変わって見えるのだと気付きました。光が美しいが心に刺さるような、そんな夜景を目指しました。当初は、授業の教材としての開発した紙式メゾチント技法でしたが、自身が思い描く夜景と紙式メゾチント技法の特徴であるエッジの効かない緩い滲みの明暗が夜景の表現に適していました。
そして、電車、飛行機、車の中から見る夜景は、その時の思い出や一緒にいる人によって見え方や感じ方が変わってくるのではないか、と考えるようになりました。誰もが見たことのある夜景は、見るときの感情や思い出でどう見えるのか?誰もが見たことのあるような夜景だからこそ、自分の思い出に当てはめ、それぞれの思いを馳せれるのではないだろうかと考えました。
コロナ禍で思うように移動できないことが数年続いています。夜景は、夜の時間は無敵の様に楽しめた時や悲しい時間、それぞれを思い出させる年代や性別を問わない共通のツールでもあると考えれます。 
 

田代 ゆかり

田代 ゆかり Profile

1985年 福岡県生まれ

福岡教育大学 教育科学専攻(大学院) 修了

◆受賞歴
令和3年度助成金 NPO法人芸術・文化若い芽を育てる会 スポンサー賞
第8回 CWAJ版画展 ヤングプリントメーカー賞(第1席)
第46回 全国大学版画展 観客賞

◆展示歴
第9、10回「 FEI PRINT AWARD入選作品展」 FEI ART MUSEUM YOKOHAMA
2021年8月18日~8月23日 「THE HANGA2021」福岡三越9階 岩田屋三越美術画廊

◆インフォメーション
私の使っている版画技法は独自で編み出した版画技法で紙式メゾチントと呼んでいます。勤めている高校で専門的な道具やまとまった制作時間がなくとも可能な版画を行うため研究しました。その結果生み出されたのが紙式メゾチントになります。この技法を論文にまとめたものが版画学会誌(no49)に掲載されています。紙式メゾチントは豊な明暗の調子と滲みの表現が特徴になります。
紙式メゾチントを使用した最近の作品のテーマは夜景です。
失恋した知人の話を聞いていたときに、知人からふとでた「彼女の家の近くのインターとか通り過ぎるだけで辛い。」という言葉から着想を得ました。同じ景色も見るときの思い出で変わって見える。光が美しいが心に刺さるようなそんな夜景の表現を目指しました。