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KENZAN202121/09/22[水]-21/09/26[日] @ 東京芸術劇場

写真家
山田谷直行 / Chokko Yamadaya [Atlier EAST]

● 主な技法:ミクストメディア(写真、蜜蝋、和紙)

写真を分解して質料としてとらえることで、被写体から解放された自由な世界が広がりました。古典技法のプリント断片やネガなどを写真のカケラたちを再構築して複写を重ね、さらに和紙を張り蜜蝋を塗るといった制御しづらいエラーを引き起こすことで、イメージが一人歩きしていきました。揺るぎないはずの写真のイメージが変質して生み出された、複製不可能な作品たちです。

山田谷直行

山田谷直行 Profile

1972年 北海道生まれ

北海道夕張市立清水沢中学校 卒業

◆受賞歴
Art Gallery M84公募展

◆展示歴
2019年4月 個展 アウラ舎(東京・押上)/6月 グループ展 Roonee247 Finearts(東京・小伝馬町) /11月 アートフェア fotofever2019(フランス・パリ)2020年3月 個展 アウラ舎(東京・押上)/8月 個展 アウラ舎(東京・押上)/12月 公募展 タガワアートビエンナーレ(福岡・田川)2021年3月 公募展 Art Gallery M84(東京・銀座)/4月 個展 ギャラリー・ニエプス(東京・四谷)

◆インフォメーション
東日本大震災の時、多くの職業カメラマンが被災地でシャッターを切りました。僕もそんな一人でした。『しばらく描くことができなかった』。数年経って友人の絵描きが言った言葉です。写真と絵画、同じビジュアルアートなのに創作する際の出発点が違うことに気付きました。心の岸辺に流れてきた漂うものをしっかり暖め、何かが芽生えてから描き出す。僕も何かが発芽するまでジックリと向き合って、描くような写真家になりたいと感じるようになりました。その後、被写体という外的要因に刺激を受けてシャッターを切る。当たり前だと疑わなかった行為から距離を置いてみました。写真の使命のような束縛から解放されると、自由で豊かな表現世界が待っていました。現在は写真技法をベースにものづくりをしています。これからもじっくりと向き合って、テーマに普遍性が帯びるまで心の中で成長させながら、活動していきたいと思っています。立ち止まらず常に乾いてもっとできると信じて、進んでいきたいです。