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池袋アートギャザリング公募展
IAG AWARDS 2021 EXHIBITION
21/07/14[水]-21/07/19[月] @ 東京芸術劇場 5F Gallery1

現代芸術家
千葉尋 / Hiro CHIBA []

● 主な技法:クロログラフ

葉に写真を焼いた標本、クロログラフ(造語)は、葉に写真が焼けたら面白いだろうと、遊びの実験から生まれたものです。古いように見えますが、当時は未開発の技法で、自分で試行錯誤して作り上げる必要がありました。

2012年、初めて実験が成功したとき、想像していたものよりずっと、美しいものだという感想を抱きました。数年たってから、その美的感情は「懐かしさ」だったと気が付きます。

2020年、コロナ禍の中、なぜ懐かしいのか、作品と懐古感情について考えながら実験と制作を続けていました。そしてある日、遺影や遺景のようだからではないかと思うようになりました。
外出自粛で家の整理をして、祖母の若いころの写真を見つけたことが遠因だったと思います。

生き物を写した写真は、遅かれ早かれ遺影となります。けれどクロログラフは、今 存在するものですら、ひどく古い、すでに失われているもののように映し出します。
いわば、喪失を疑似体験する装置のようなものだという気がしています。

今回は、「2089年の遺影」というテーマを設けて展示しました。
ご高覧いただき、可能であれば、なにか感情が生じたか、どんな感情か、いつかどこかでお聞かせいただければ幸甚です。

千葉尋

千葉尋 Profile

1989年 千葉生まれ

2014年 東京造形大学造形研究科 修了

◆受賞歴
2017年 「シェル美術賞展」 入選 / 国立新美術館 /東京、日本
2019年 「Future Vision 2019」 入選 / Tower Mall / ドーハ、カタール
2020年 「第2回TKO国際ミニプリント展 2020」金賞 / 東京芸術劇場 / 東京、日本
2020年 「第9回 FEI PRINT AWARD」求龍堂賞 / FEI ART MUSEUM YOKOHAMA / 東京、日本
2020年 「2020年 美の起原展」入選 / 銀座画廊 美の起原 / 東京、日本

◆展示歴
2016年 「Art comes alive at Tiapapata」/Tiapapata Art Center /アピア、サモア
2018年 「Artmore Award Exhibition」 佳作 /弘重ギャラリー /東京
2019年 「NAU21世紀美術連立展 2019」/ 国立新美術館 / 東京
2019年 「The memory of the Chloroplast」/ Gallery Byul / 釜山、韓国
2019年 「SAISON PHOTO 2019」/ エパウ王立修道院 / サルテ、フランス
2019年 「GWANGJU INTERNATIONAL ART FAIR 2019」/ KDJコンベンションセンター / 光州、韓国
2021年 「千葉尋 個展 / 倖せのあとさき」/ B-gallery / 東京

◆インフォメーション
大学院に入るころ、ふと、可能な限り嘘をやめてみようと思いました。

そうすると、自分の作ってきた作品は、本能的な制作欲求に従ってできたもので、コンセプトは、後から考えた耳触りの良い装飾であることがわかりました。

嘘をつかずに、つまり装飾としてのコンセプトを使わずに、大学院という研究機関で制作を続けるにはどうしたらいいかを考えました。そうして、制作ではなく、論文研究に切り替えることにしました。「遊びとしての芸術」について研究する論文、そのための副制作として、大学院の設備を自由に使って「遊びとしての制作」を続けることができると考えたのです。

論文研究の中で、自分の制作に対する姿勢をアール・ブリュット(生の芸術)のアーティストに近いものと分類しました。
現在は、アーティストだという自覚をアーティズム、「遊びとしての芸術」をプレイズムと名付け、そのコンセプトの中でテーマを設け、実験と制作を続けています。