幻影アーティスト
Sai / Sai
● 主な技法:ペン画、アクリル画、アルコールインク
大学生の時、積み重なったストレスにより離人症を発症する。
症状の一環として解離症状があり、その際モヤのような影が見えるようになる。
彼女はそれをなぞり絵にすることで内省し、自身を認め精神的を落ち着けた。
視界にうっすら映る幻のような影。本当に見えているのか、ただの思い込みかもしれない影をなぞることで、確実に認識できる形にする。
影をなぞるという行為の中に潜む、曖昧から確信に変わる瞬間に、潜在意識が顕在意識になる瞬間や、夢から覚めて現実を認識する瞬間を重ね、美しいと感じた。
曖昧なものと確実なものの境界には見えないグラデーションがある。
その曖昧で掴むことのできない美しさをSaiは追求している。
画材はアクリル絵の具やペンを使用。グラデーションの表現のため、アルコールインクを使用する場合もある。
Sai Profile
1995年 長崎県生まれ
長崎国際大学 健康管理学部 健康栄養学科 卒業
◆受賞歴
いい芽ふくら芽inNAGOYA 入選
◆展示歴
2016 12月 個展 Phantom Art -Saiの目を通して世界を見る- 佐世保市博物館島瀬美術センター / 長崎
2021 05月 禁断の恋展 Gallery IYN / 大阪
08月 個展 花園 石丸文行堂本店 / 長崎
12月 TATSUYA ART COMPETITION GALLERY龍屋 / 愛知
2022 04月 ZEROTEN 2020 -Aichi- GALLERY龍屋 / 愛知
08月 二人展 where am I? Gallery Kanon / 東京
11月 いい芽ふくら芽in NAGOYA / 愛知
12月 二人展 Visual Noise / 東京
2023 11月 KENZAN 東京芸術劇場 / 東京
◆インフォメーション
長崎出身で、1995年に生まれてから2022年6月まで住んでいました。
現在は東京に在住しています。
中学生のころは、同年代の子たちが好むものを良いと思えず、自分の感性が人と少し違うのではと悩んでいました。
また、いつか死ぬことに対する恐怖もとても強く感じていました。
死へのカウントダウンは生まれたときから始まっており、残り少ない酸素で宇宙に放り出されるような恐怖に近いです。
あるとき、ミュージシャンである雅の「(前略)派手でいーじゃない、浮いてていーじゃない、自分らしければいいじゃないの。(中略)何が正しくて間違ってんのかなんて大人でさえわかっちゃいない時代で(後略)」という言葉と、
スティーブジョブズの「(前略)私が勝ち得た富は、私が死ぬ時に一緒に持っていけるものではない。私があの世に持っていける物は、愛情にあふれた(ポジティブな)思い出だけだ。これこそが本当の豊かさであり、あなたとずっと一緒にいてくれるもの、あなたに力をあたえてくれるもの、あなたの道を照らしてくれるものだ。(中略)あなたの人生がどのようなステージにあったとしても、誰もが、いつか、人生の幕を閉じる日がやってくる。あなたの家族のために愛情を大切にしてください。あなたのパートーナーのためにあなたの友人のために。そして自分を丁寧に扱ってあげてください。他の人を大切にしてください。」という言葉に出会いました。
この二つに影響を受け、他人軸の価値観で生きず、後悔のない人生にしようと決意しました。
そのために、幼いころからなりたかったアーティストとして生き、周囲の価値観に合わせて無理に自分を偽らず、自他への愛の思い出を集めることで死に対する恐怖に打ち勝とうと決めています。