美術家
高島 亮三 / TAKASHIMA Ryozo
● 主な技法:モニュメント
今日の世界では、「力強さ」を是とし、その中身を吟味せず、ひたすらそれに追随するような閉塞した空気(権威主義パーソナリティー)が蔓延していて、それはまた日本でも例外ではない。 そのような時代の動向に思うところがあり、ここ数年はジョージ・オーウェルの小説「1984年」に描かれている全体主義国家の掲げるスローガン「WAR IS PEACE. FREEDOM IS SLAVERY. IGNORANCE IS STRENGTH.」(戦争は平和なり。 自由は隷従なり。 無知は力なり。)をテーマにした作品を制作してきた。 本作は、相手を攻撃する事で自身の安全(立場)を一方的に願うかのような、倒錯した今日の社会的傾向を、千羽鶴のフォーマットに置き換えて表現した。 作品タイトルは上記のスローガンのうちから「WAR IS PEACE」を引用した。[← ここまで2017年時 執筆] [ここより2024年時 執筆→]本作は上記のコンセプトで、2017年当時に発表した作品ではあるが、それから7年たった2024年現在、ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルのガザ侵攻など、「強者の論理」が、ますます幅を効かせる状況において、本企画(IAG AWARDS 2024)を通じ、改めて、この作品を世に問いたいと考えた。会場では、本作の展示に併せ、作品脇で折り紙による「爆弾」の作り方(折り方)の公開制作(会期中の土・日)や無料配布を予定。

高島 亮三 Profile
1972年 東京都生まれ
1996年 多摩美術大学美術学部デザイン科グラフィックデザイン専攻 卒業
◆受賞歴
2001 「ユニクローム」 群馬青年ビエンナーレ2001 優秀賞
2009 「0円均一」 エコジャパンカップ2009 エコ・アート部門 準グランプリ
2018 「National ● Dice」 MONSTER Exhibition 2018 最優秀賞
2020 「1984+36」 第23回 岡本太郎現代芸術賞 入選
◆展示歴
2004 個展「犬小屋の住人」 トーキョーワンダーサイト(東京)
2011 個展「美術の時間」 静岡市クリエーター支援センター(静岡)
2019 個展「1984+36」 遊工房アートスペース(東京)
◆インフォメーション
趣味/路傍の石ころ採集、コケ鑑賞
特技/四つ葉のクローバー探し
好きな言葉/個人主義は他人主義に通ず
好きな食べ物/みかん、とんかつ
好きな美術家/ベン・シャーン
好きな有名人/岡村孝子
ライフワーク/60歳までに東京都県境一周(現在進行中)