大谷 陽一郎 / Yoichiro Otani
● 主な技法:アクリル、ミクストメディア
水面に映り込んだイメージは曖昧に揺らぎ、変容する。水面はあらゆるイメージを内包する可能性をもった器のようである。結果、その器が映し出すイメージは幻想的に溶け合い、現実ではないどこか別の世界に通じているように感じる。
この作品ではこちら側を意味する「此」、あちら側を意味する「彼」、水面がイメージを映し出すきっかけを与える「光」、これらの漢字から発音を抽出し、日本語読みで彼=hi、光=kou、此=shi、この三つの音でつながるあらゆる漢字を配置して水面を描くことで、水面を此方と彼方の狭間にある境界として捉えた。
ミニマルな限られた音から意味は広がっていく。作品のなかで漢字は縁によって出会い、互いの意味を交え、新たなインスピレーションを生む。無数の意味の結びつきによって水面のイメージそれ自体を
曖昧にする。
大谷 陽一郎 Profile
1990年 大阪府生まれ
東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程 3年
◆受賞歴
2020 NONIO ART WAVE AWARD グラフィック・イラストレーション部門 グランプリ
2019 DenchuLab.2019 採択
2018 東京藝術大学修了制作 サロン・ド・プランタン賞
2017 IAG AWARDS IAG奨励賞
◆展示歴
2021 未来可期的日本新鋭藝術家們(上海梅龍鎮伊勢丹、上海)
2021 孤帆の遠影(MONTBLANC銀座本店, 東京)
2021 ミライノシブヤウィーク(渋谷西武、東京)
2020 DenchuLab.2019(旧平櫛田中邸アトリエ, 東京)
2020 いんすぴ展(パークホテル東京, 東京)
2020 0101 Art Fair(世貿一館, 台北)
2020 アート解放区GINZA(銀座髙木ビル, 東京)
2019 アート解放区DAIKANYAMA(Tenoha代官山, 東京)
2018 BAY ART(MixC Shenzhen Bay, 深セン)
2018 crossword(代官山T-SITE, 東京)
2017 みなとメディアミュージアム(百華蔵, 茨城)
2017 IAG AWARD EXHIBITION(東京芸術劇場ギャラリー, 東京)
◆インフォメーション
1990年大阪府生まれ。桑沢デザイン研究所卒業。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。2018年から2019年北京の清華大学へ交換留学。作品集に『雨』(リトルモア)、絵本に『かんじるえ』(福音館書店)がある。現在、大阪を拠点に活動。