美術作家
安部正兼 / MASAKANE ABE
● 主な技法:陶芸 粘土彫刻
ものの形を追って造形していく行為の魅力とは、頭で形を空想し、手で空想を組み立てる、手から生まれた形を見て、再び頭で造形に接合する連想を作り上げる、その行為の繰り返しのことであると考えている。空想と組み立てとを相互に繰り返していく中で、思い付きに形状を変えたり、想定にないパーツを増やすと完成図の予定調和を外れて、空想の具体化された形が互いに接合しあう。こうして一瞬の空想に過ぎないイメージを、陶芸の技法を用いて立体造形として空間に作り上げる。 粘土とのやり取りの中で、 こうしたい、 こうありたいとする様を積極的に取り入れ、 土と身体とが造形を通して愉快に対話を続けていくことが何よりも重要なことである。

安部正兼 Profile
1999年 神奈川県生まれ
2023年 多摩美術大学 大学院 美術研究科 工芸専攻 陶研究領域 修了
◆受賞歴
第57回神奈川県美術展 工芸部門 入選
「GEISAI#22 & Classic」 特別審査員Zaptio賞 受賞
いい芽ふくら芽in Tokyo 優秀賞 月刊アートコレクターズ賞 受賞
「IAG AWARDS 2024 EXHIBITION」
東武百貨店ギャラリー賞 受賞
◆展示歴
2022
第57回神奈川県美術展
個展 多摩美術大学工芸専攻選抜展「壺中天」
グループ展 「たまびやき」ギャラリーなつか
2023
個展「渦中の天」Hidari Zingaro
2024
「いい芽ふくら芽 in TOKYO 2024」松坂屋美術画廊
「わたしたちの王道」大丸東京店美術画廊
「IAG AWARDS 2024 EXHIBITION」東京芸術劇場
◆インフォメーション
私は普段、陶で作品を制作しています。私にとって造形をしていくことは、頭で形を空想し、手で形を組み立てる、手から生まれた形を見て、再び頭で接合する空想を作り上げる、その行為の繰り返しです。
空想と組み立てとを相互に繰り返していく中で、思い付きに形を変えたり要素を増やすと、想定していた完成の調和を外れて、次から次に空想が膨らみます。様々な空想は渦を巻くように膨張を続け、どんどんと誇大していきます。そうして出来上がったものの形は、何かひとつの完成に行き着いていて、それでいて未だ膨張の最中にあるようです。