画家
楊 柏強 / YANG BAIQIANG
● 主な技法:アクリル絵とミクストメディア
私の創作は絵画と複合素材を主な媒体とし、「宗教的象徴が現代においていかに精神的な経験を継承し続けるか」という問いを中心に展開している。私は宗教的イメージを復元すべき伝統的物語とは見なさず、むしろ文化を超えた心理構造と視覚的文法として捉える。扉、審判、祈り、遺骸、亀裂、廃墟といったイメージは画面上で解体され、位置をずらされ、再構築されることで、個人が恐怖、孤独、欲望、そして救済への想像の間で揺れ動く証となる。
言語的には、「時間」を画面の真実の素材として扱う。油彩、アクリル、ニス、粉末など多様な媒体による反復的な重ね塗り、削り取り、拭い取り、流動処理を通じて、表面に堆積、酸化、剥落、かさぶたのような質感を生成させる。亀裂や損傷は失敗ではなく、私が意図的に残した構造である。それらは精神秩序の崩壊と自己修復が同時に起こる過程を記録している。色彩は私の作品において装飾ではなく、一種の精神力学である——冷色は深みと距離を構築し、暖色は瞬時の啓示や痛みの爆発点のように、画面を常に「今まさに起きている」緊張状態に置く。
この創作姿勢を私は「自己離散主義」と呼ぶ。自我は安定した全体ではなく、現実の圧力と内なる信仰の間で分裂し、漂流し、再結晶する過程そのものである。絵画は私にとって儀式化された記録方法だ——可視と不可視の間に通路を築き、観る者を単一の答えへ導くのではなく、開かれた象徴の場において自らの経験へと回帰させ、運命・神性・死の意識が構成する境界を再感知させる。

楊 柏強 Profile
1994年 中国生まれ
2015年 中国河北省芸術専門学校 映像学部 卒業
2025年 武蔵野美術大学造形学部芸術文化学科 卒業
◆受賞歴
2023年5月 第79回現展 平面作品『無題』 入選
2023年5月 第27回日仏現代国際美術展 平面作品『無題』 入選
2024年5月 第20回世界絵画大賞展 入選
2024年7月 [数寄和]公募展「ギャラリーへ行こう2024」 入選
2024年9月 第59回神奈川県美術展 平面作品『踊り子』 入選
2025年1月 武蔵野美術大学卒業展学科賞 受賞
2026年3月 第5回「BrainBrunn ART AWARD2026」 入選
◆展示歴
2024年6月 武蔵野美術大学芸術文化学科是枝ゼミ展
2024年7月 武蔵野美術大学OPENキャンパスで是枝ゼミ代表として作品展示
2025年8月 特定非営利活動法人 多文化共生支援センター「留学生向けの作品交流イベント」を参加した
2025年6月-2026年1月 デザインフェスタギャラリー原宿で作品展示
2026年3月 池袋回遊派美術展2026で出展
◆インフォメーション
楊柏強は中国出身の美術作家である。大学卒業後、北京で写真や映像関連の仕事に従事していたが、次第に映像や言語には内面の精神的な体験を表現する上で一定の限界があることに気づいた。2019年に来日し、2021年に武蔵野美術大学造形学部芸術文化学科に入学、その後絵画を主な創作手法として取り組み始めた。
自身の創作は、自意識、宗教的象徴、時間性、そして境界というテーマを中心に展開している。油彩、アクリル、唐紙など多様な素材を重ねたり、削り取ったり、流動させたりする処理を通じて、目に触れ得ない心理状態を、物質感のある画面構成へと変換しようとしている。作品は特定の物語を追求するのではなく、ひび割れ、多層性、痕跡、色彩の関係性を通じて、個人の記憶、信念、不安、そして自意識の間で絶えず再構成される状態を表現している。
近年、公募展や展示会に継続して参加しており、作品は数多くの美術展に入選されたほか、武蔵野美術大学の卒業制作展では学科賞を受賞した。今後も、色彩表現や素材表現を通じて個人の内面を掘り下げ、より深みと持続性のある造形言語を確立していきたいと目指している。
