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池袋回遊派美術展26/05/26[火]-26/05/31[日] @ 自由学園明日館 講堂

TOKYO琳派 本橋デミル 瞳 / TOKYO RIMPA, Hitomi MOTOHASHI DEMIR 

● 主な技法:岩絵具、アクリル絵の具、メディウム

私の制作は、世界の「実体」への疑義から始まります。
2014年、美術史の博士号取得直後に宣告された「がん」。この経験は、それまで強固に存在していた世界を、幾層もの不確かなレイヤーが重なり合う透過的な構造へと変貌させました。本展で提示する「透過シリーズ」は、この死生観に基づき、古典的美学と現代のデジタル言語を一つの画面(界面)で衝突させる試みです。
私は、尾形光琳らの琳派作品を一度デジタルデータとして「解体」し、本来は「無」を象徴するデジタル上の透明グリッド(市松模様)の上に再構築します。画面に散りばめられた「付箋」や「カーソル」は、絵画が現実と虚構の境界に浮かぶデータであることを突きつけるノイズであり、鑑賞者の視線を伝統的な美(過去)と日常的なデバイス(現在)の間で絶えず彷徨わせます。
これらの作品は、単なる画像(市松模様)の引用ではありません。「あるのに無い、無いのにある」という仏教的な虚無の概念を、現代のデジタルな視覚言語によって再定義するプロセスです。
歴史、現代、生、死。それらが透過し、せめぎ合うレイヤーの中から、鑑賞者自身の立っている場所もまた、一つの層として浮き彫りになる。その時、私の絵画は完成します。
一方、古代遺跡から出土したような風合いを持つ「青銅シリーズ」では、日本神話で神格化される蛇や鹿などを浮き彫りのように盛り上げ、青銅の錆も描き、死と生のせめぎ合う間や記憶、時間の連続性と越境などについて思考を巡らせる動機としています。
立教大学出身かつ、2014年より在住している、このゆかりある池袋の地で、重なり合う世界の新しい相貌を体感してください

TOKYO琳派 本橋デミル 瞳

TOKYO琳派 本橋デミル 瞳 Profile

1985年 東京都生まれ

2007年 立教大学文学部キリスト教学科、学士 卒業

2009年 武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻美学美術史コース 修士過程 修了

2014年 立教大学大学院キリスト教学研究科キリスト教学専攻博士課程 修了

◆受賞歴
「優秀賞」、修士論文(武蔵野美術大学)、2009年3月31日

「ウィリアムズ奨学金」、立教大学、2009年

「菅円吉奨学金」、立教大学、2012年

◆展示歴
2015年「ローズウッドの傍らで死を 想ふ」、Ouchi Gallery、NY、アメリカ合衆国


2019年 “Sea of Japan to Caspian sea”、Mahjoobi Art Gallery, Lahijan、イラン

2020年「Independent Tokyo 2020」タグボート、新橋、日本


2023年 「トルコ地震支援[彼岸と此岸のあいだ]展」Bar Alchemy、池袋、日本

2024年 「つながり展2024」Gallery Field、文京区、日本

◆インフォメーション
美術史博士としての広い知識と、120件を超える居酒屋壁画制作という異色の現場経験を併せ持つアーティスト。2014年、博士号取得と同時に病を経験したことを機に、研究者から描き手へと転身。以来、池袋を拠点に数多くの商業施設でダイナミックな壁画を手掛ける。
2017年に独立し、「TOKYO琳派」を掲げて活動。伝統的な装飾美を現代の都市空間へと昇華させる表現を得意とし、板絵販売80点以上、デザイン実績50点以上を数える。2019年より立教大学にて美術史の非常勤講師も務める。「理論(歴史)」と「実践(制作)」を往来しながら、人々の生活に根差した現代の視覚文化を追求している。