インスタレーション作家
橋本麻郁 / installation artist
● 主な技法:3Dプリンター
この作品は「わかりやすいコンテンツを供給する高機能なデバイスにはない、オールドメディアやロストテクノロジーの魅力を、一からデバイスを製作して表現したものだ。例えばAMラジオのくぐもった独特の音質、インクの香りが立つ新聞紙、ブラウン管テレビなど、なにを投映するかではなく、投映するツールそのものの魅力を見つめ直すことを目的としている。今回、平面レンズを用い、映像を拡大する「拡視機」を開発。3.5 インチモニターの映像は拡大され、明瞭に見えるはずの映像は近づくほど縮小し、遠ざかっていく。大きく見えるのに少し動いただけで見えない、観たいのに見えないジレンマを、氾濫する情報を人は本当の意味で見ているのか、という問いに重ねている。情報社会で生きる我々が、実は表層的な情報しか摂取できていないという矛盾を可視化することで、人間の認知と真理への距離を表現する。

