柳原李音
柳原李音 / RIN YANAGIHARA
● 主な技法:打ち出し レリーフ 溶接
私は、素材に残る痕跡や人の行為によって刻まれる時間の重なりを主題に、銅板による作品制作を行っている。溶接は金属を強固に接合するために不可欠な技術である一方、その過程で生まれる溶接痕は多くの場合、完成のために研磨によって消去されてしまう。私はその痕跡にこそ人の行為や時間の存在が宿ると捉え、あえて消さずに作品に生かしている。
物そのものではなく、魂が宿るのは縫い目である。縫うという行為は、壊れたものをそのまま終わらせることを拒む選択であり、縫い直すことは、失われかけた寿命を引き延ばすための、ささやかな呪である。縫い目には、人が「まだ使いたい」「手放したくない」と願った瞬間の意思が、最も濃く残る。だからこそ、長い時間を経て、魂は布ではなく、その縫い目に宿る。

