写真作家
三浦勇人 / yuto miura
● 主な技法:写真(阿波和紙インクジェットプリント)
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三浦勇人
「『晩年』〜向日葵〜」
阿波和紙インクジェットプリント・プレミオ雲流(写真)
およそ59.4cm×42cm -
三浦勇人
「『晩年』〜向日葵〜」
阿波和紙インクジェットプリント・プレミオ雲流(写真)
およそ59.4cm×42cm -
三浦勇人
「『晩年』〜雛罌粟〜」
阿波和紙インクジェットプリント・竹和紙(写真)
およそ42cm×29.7cm -
三浦勇人
「『晩年』〜雛罌粟〜」
阿波和紙インクジェットプリント・竹和紙(写真)
およそ42cm×29.7cm -
三浦勇人
「『晩年』〜蒲公英〜」
阿波和紙インクジェットプリント・竹和紙(写真)
およそ42cm×29.7cm -
三浦勇人
「『晩年』〜蒲公英〜」
阿波和紙インクジェットプリント・竹和紙(写真)
およそ42cm×29.7cm
『晩年』 一輪の花に品種としての名前があるが人間でいう個人名はない。それぞれが同じ花であり、その中で区別された品種というものがある。 道端で見かけるたんぽぽやハルジオンの雑草に扱われてしまう花にもそのような「個」はない。 花の晩年とはいつであるだろう?とふと思う事があった。 その季節に生きた花ひとつひとつに固有の葬儀があるわけではなく、それぞれが時期が来ればそれぞれのタイミングで朽ち果ててゆく。そこには「孤高」のような気高い強さのよなものを感じた。 花の晩年を迎える時期の花を品種ではなく「個」として扱い、それぞれの晩年を撮影してきた。 2020年以降、コロナ禍になります花を眺める機会も減り、いつも眺めていた場所の花も、そこで現在も咲いているのに誰にも見られることなくその時節を終えてしまう花が増えた。 それは次第に記憶から薄れ、その場で生きた花のことも忘れていってしまい、そこで咲いていた花の存在も朧げになり忘れられてゆく。写真に残すことでその記憶を刺激する。この騒がしい時代にもひっそりと生きた花たちの晩年を振り返る。
三浦勇人 Profile
1993年 福島県生まれ
◆受賞歴
◆展示歴
2016年より東京で生きる花をテーマに作家活動を始める。
個展
2017年:12月「刹那と静寂」
2018年:12月「憂いの影」
2020年:11月「忘命の箱庭」
2020年:12月〜1月「哀の喪失と創生 in Firenze2020」
その他展示
[2018]
・Affordable Art Fair Amsterdam 2018
[2019]
・SICF20
・北井画廊「ART ON PAPER project2 紙の美術其のニ」
2020
・IAGAWARDS2020
・100人10
2021
・御苗場2021
その他カフェ、Barなどで作品の常設展示多数.....
◆インフォメーション
福島県の山の麓で育った僕にとって東京には自然など存在しないものだと思っていた。写真を通して花と触れていると東京には意外にも花と共存している。しかし、僕が育った町のあの自然あふれる場所で出会った花たちとはまるで違う一面が見える。ここの花は美しさより人間のエゴな部分と花の気の毒さが東京の風景の中で色濃く映る。
山の麓で綺麗に咲いてた花の記憶も、そんな光景を見ていると次第に霞んでいき、いつしか本当の美しさのようなものを忘れてしまう。僕はそんな恐れや不安を感じて衝動的に東京で生きる花を写真に収めた。
写真家として上京して6年。東京で生きる花の強さと美しさや生まれて朽ちるまでの背景などを意識し写真に残してきた。作品という形で昇華する事で新たに咲き続けていける居場所を作り、個としての花が朽ちてもなお形を変え、展示会場が生き続けていく場所にもなり得ると感じている。