八澤 季実 / Kimi Yazawa
● 主な技法:油彩、木版画
桜には、フランス語で「私を忘れないで」という花言葉があるそうだ。桜の花言葉はいくつかあるが、その中でもこの少し寂しい花言葉は、彼らによく似合っているとおもう。
大学の頃住んでいたアパートの隣に、お気に入りの桜の木があった。春の夜になると、嘘みたいに白く浮かぶ花を夜な夜な眺めていた。
ある夜、この子たちに会えるのは本当に今だけなんだと気がついた。桜はまた来年も咲くかもしれない。けれど、この桜の花に会えるのは今年だけ。散ってしまえば、それでお別れになる。
ならば、私はこの子たちのことを、この春の夜のことをきっと忘れないでいようと思った。それにもしかすると、私が忘れたくないと願った春の夜は、桜にとっても忘れたくない大切な夜だったのではないか。そんな風にも思えてきた。
八澤 季実 Profile
1995年 広島県生まれ
2019年 筑波大学芸術専門学群美術専攻洋画コース 卒業
◆受賞歴
2020 「第5回星乃珈琲店絵画コンテスト」準グランプリ
2022「第40回上野の森美術館大賞展 」入選
2022 「IAG AWARD 2022」協同組合美術商交友会賞
2023 「ヤングアーティスト公募展 いい芽ふくら芽 in TOKYO 2023 」美岳画廊賞
2024 「KAIKA TOKYO ART AWARD 2024」入選
2024 「ACTアート大賞 2024」佳作
◆展示歴
個展
2019 「優しい手紙」せんぱく工舎(千葉)
「おまじない」せんぱく工舎(千葉)
2020 「アクアマリン」QWERTY・純喫茶若松(千葉)
2021 「新しい神様」rusu(東京)
「conversation piece」純喫茶若松(千葉)
2022「えんどれす」しるばあ(千葉)
2023「プリズム」3108(千葉)
グループ展
2020「Sweet pea」星子スコーン(千葉)
2022「第40回上野の森美術館大賞展」上野の森美術館(東京)
「IAG AWARDS2022」東京芸術劇場(東京)
2023 「ヤングアーティスト公募展いい芽ふくら芽 in TOKYO 2023」(東京)
「それぞれの窓辺」廃墟ギャラリー(広島)
◆インフォメーション
千葉県松戸市のアトリエを拠点に活動。生活の中で出会った愛しいものをモチーフに、油彩画や木版画を制作。