坂本左衛門 / sakamoto zaemon [5F Gallery2]
● 主な技法：油彩
・量子力学からの着想
量子力学のジャンルにひも理論というものがある。これはミクロ世界における最小の単位はひもで、その小さなひもの振動によって世界が構成されているという理論である。
・ひもツール(ドリッピングの可能性)
ポロックにおけるドリッピングとは身体性を主軸に置くアクションペイントであり、または最終的な絵画としての抽象性に焦点が当たっていた。絵の具の躍動(描画とは絵の具を変形させる行為)は日本におけるスーパーフラット以降の反発としてもしばしば作家のテーマにされてきた。しかしながらこれらもまたコンセプトや抽象性に重点が置かれていた。むしろ特性上そういった形でしか残せなかったとも言える。
ひもツールは絵の具をひも状に画面へ展開する上でそれまでドリッピングが抱えた課題を幾つか乗り越えた。最たるものはひもの制御である。これを最大限に生かすためには具象絵画への挑戦しかない。グレース、または点描における加法混色の表現を踏まえた具象絵画へのチャレンジこそがドリッピングの可能性を広げるものである。
坂本左衛門 Profile
1986年 福島県生まれ
多摩美術大学大学院修士課程絵画専攻油画研究領域 修了
◆受賞歴
2022 いい芽ふくら芽ヤングアーティスト in Tokyo グランプリ
◆展示歴
2017 個展(bar十月/新宿)
2019 個展(bar十月/新宿)
2020 Nihon Graphics Group Exhibition(Nihon Graphics Gallery/西新宿)
2021 ACT アート大賞展(The Artcomplex Center of Tokyo/新宿)
2022 ゾンビがいる絵展(スペースくらげ/東林間)
2022 いい芽ふくら芽ヤングアーティスト in Tokyo(大丸松坂屋百貨店/上野)
2022 全日本アートサロン絵画大賞展(国立新美術館/六本木)
2022 Shibuya Art Award PLUS展(代官山ヒルサイドテラスアネックスA/代官山)
2022 WHAT CAFE SPECIAL MARKET 2022 SPRING展(WHAT CAFE/天王洲アイル)
◆インフォメーション
大学院修了後、仕事の合間で作品を制作。
2019年八王子市北野町にある共同アトリエ「pimp studio」へ。これを機に八王子へ転居。以降毎年開催「Super Open Studio」へ参加。
量子力学の超ひも理論に着想を得て制作された油彩(ドリッピング)のシリーズを主に制作中。