田村勇太 / YUTA TAMURA
● 主な技法:様々な物質を使用したミクストメディアによる制作
ステートメント ー 『怪獣に花』
混沌をなだめる、祈りの器を。
日本には「豚に真珠」「虎に翼」というような諺がある。では、『怪獣に花』を捧げたなら、一体何が起こるのだろう。
私たちは私たちの内に怪獣を抱えているのではないだろうか。怪獣とは私たちの中にある混沌たるエネルギーである。そして時にこの怪獣たちが悪しき形で巨大化してしまった時、そこには分断や差別、暴力が生まれてきた。歴史を通じてそうであったように、そして今この瞬間もそうであるように。
私の仕事は、私たちの内にいる怪獣たちに花を捧げることだ。その花は、大きくなろうとする混沌をなだめ、彼らとうまく共生するための祈りの装置のようなものだ。その過程であえて解像度を落としたり、モチーフを抽象化するのは、それぞれの怪獣達の不確かな輪郭をそのまま受け入れ、そこに添える花もまた、あらゆる可能性を内包したまま差し出すための、私なりの対話の形だ。
私の仕事が、一人一人の内側に、またその先にあるこの世界の巨大怪獣たちに届いたとき、そこにはどんな変化が生まれるのだろうか。もしかしたら何も変わらないかもしれない。しかし私は怪獣たちが私たちを脅かす存在ではなく、私たちを祝福するエネルギーとして共に在れるよう、花を贈り続けたい。

田村勇太 Profile
1987年 兵庫県生まれ
神戸市外国語大学外国語学部英米学科 卒業
◆受賞歴
2025 「並樹画廊公募展」 審査員特別賞
「いい芽ふくら芽 in Osaka 25」 優秀賞・ギャラリー賞複数(GALLERY
TOMO, TOMOHIKO YOSHINO GALLERY, SHIBAYAMA ART GALLERY)
「IAG AWARD 2025」 掛川市特別賞
◆展示歴
個展等
2026 『あの日の私が呼んでいる』 きらくえんギャラリー(神戸)
2024 『YUTA TAMURA』,Soka Art,(台北)
2023 『“ 名前はまだない。” 』, Goyo Gallery,(東京)
2022 『8 Bit Journey』, NEPTUNE GALLERY(台北)
グループ展・アートフェア等
2025.9 『Edition One: Materiality』, The Handbag Factory(ロンドン)
2025.8 『Dream Hackers & Neo Totems』, Joyman Gallery (タイ・バンコク)
2024 『MOORDN ART FAIR』(中国・広州)
2023 『Thinkspace x STRAAT: NDSM Group Show』(アムステルダム)
2022 『Intermission』(銀座蔦屋書店)
(以上 一部抜粋)
◆インフォメーション
兵庫県生まれ。神戸市を拠点に活動。
田村勇太は、平面、半立体、インスタレーションなど複数の表現媒体を横断しながら制作を行う現代美術家である。これまで、ピクセル表現を用いたキャラクター作品や抽象絵画、植物をモチーフとした絵画作品など、多様な表現を展開してきた。現在は、植物や土、縄、布などの素材を用いた作品を中心に制作している。
田村の制作には、表現方法や素材が変化していく中でも一貫して、物質や存在との関係を見つめる姿勢がある。素材を単なる制作の手段として扱うのではなく、それぞれが持つ性質や時間の経過を受け入れながら、変化していくものとどのように関わることができるのかを探っている。
異なる媒体や素材を通して展開される作品は、固定された形態や完成された状態のみを提示するのではなく、素材の変化や鑑賞者、展示される場所との関係の中で、多様なあり方をひらいていく。

