久保田華布☆ / Kubota Kaho
● 主な技法:インスタレーション/針金/ホットメルト接着剤/アクリルガッシュ
今回は「動き」をテーマに制作した。動きは過去、現在、未来と一連の時間軸が繋がって動きとして成立している。現実として動きは見て追うことはできるが、一つ一つの動き(形)を見ることは叶わない。動いているということは過去の動き(形)が消え、現在の動き(形)になっているからだ。そんな、一つの形として表現できない、有ると無いが同居して成立している動きに興味がわき制作に至った。映像でもなく、連続した静止画でもなく、立体物で表現しようとしたのは、過去、現在、未来の一連の時間(物体の輪郭)を同一の空間に配置することで「その動き」を今、目の前で認識できるようにしたかったからである。
久保田華布☆ Profile
1998年 静岡県生まれ
女子美術大学大学院美術研究科美術専攻博士前期課程洋画 2年
◆受賞歴
2021 女子美術大学卒業制作展 卒業制作賞
◆展示歴
2018「ART×しゃべる展覧会」大和市文化創造拠点シリウス 神奈川
2019「第55回神奈川県美術展」神奈川県民ホールギャラリー
「oiai美術展」クリエート浜松 静岡
2021「第44東京五美術大学連合卒業・修了制作展」国立新美術館 東京
「女子美術大学卒業制作展」女子美術大学相模原キャンパス 神奈川
「SICF22」 スパイラルホール 東京
2022「JOSHIBISION 2021 ―アタシの明日―」東京都美術館 東京
◆インフォメーション
記憶、時間など生活する中で当たり前にある概念は、目に見えるわけではないが人々の共通認識として確かにある。有ると無いが同居しながら存在している概念に面白さを感じ、目に見えない概念を作品にしたいと思った。そんな概念を私は、細い針金の線を使い、立体物として表現する。線(輪郭線)はものを描き表すときに使われているが、実際の対象物にはそんな線(輪郭線)は存在しない。線もまた、有るようで無いのだ。だから私は線が概念を表すものになるのではないかと考え、立体物としての線を現実空間に展開する。