華山萌
華山萌 / Megumu Hanayama
● 主な技法:ミクストメディア
《Before and After the Demise》は、4台の人体の内臓器官の動きと音を模した音響装置を使用したサウンドインスタレーションである。この音響装置は、器官の拍動アクチュエーターとしての大型サブウーファーユニット、人の皮膚としての超軟質ウレタン樹脂の膜、血液を含むその他組織としての水とスライムを混ぜた粘り気のある赤い液体を用いて構成される。装置は、可聴域以下(10kHz以下)の周波数でコンポジションされた有機的な動きを繰り返し、その動きが膜と液体に伝わることによって、ビチャビチャと生々しい音を奏でる。さらにその音をさらにガンマイクで拾い、空間のに配置されたスピーカーから再生することで、グロテスクな空間が生み出される。
重奏する4台の装置は、増幅・減衰・停止・持続の動きを絶えず繰り返し、まるで生命の終焉という一線を行き来しているような緊張感を醸し出す。ここからタイトルを《Before and After the Demise》、すなわち「終焉の前後で」と名付けた。