楊 佳 /
● 主な技法:銅版画、水彩画、鉛筆画
「胡蝶の夢」という説があります。中国古代の思想家荘子は夢の中で蝶としてひらひらと飛んでいた所、目が覚めましたが、はたして自分は蝶になった夢をみていたのか、それとも実は夢でみた蝶こそが本来の自分であって今の自分は蝶が見ている夢なのか、という説話です。私は生きれば生きるほど、この物語が好きになります。
私たちが過ごしている毎日が本当に真実ですか。誰かの夢ではないですか。私はよく夢を見る人です。自分の夢の中には、現実より100倍面白い、不思議な世界とストーリーが展開されていて、それは全部偽物だと思う時にとても寂しくなります。私と冒険をしてくれた人たち、エモい景色を一緒に見てくれた人たちはただ私が寝ているうちの想像だと思いたくないです。私たちが生きている世界は決して一つしかないと思いません。
こちらの作品は、私が自分の生活と創作がある目的に縛られていた時に作った物です。その時、生きているこの世界から、鳥に生き変えて、世界の境界を超えた夢を屡々見ました。これは向こうの世界からのメッセージではないかと思って、「Living Like a Bird」を作りました。
楊 佳 Profile
1992年 中国生まれ
多摩美術大学 修了
◆受賞歴
◆展示歴
2016年 日本版画協会展『第84回版画展』入選(東京都美術館・上野)
2017年 東京五美術大学連合卒業・修了制作展(国立新美術館・乃木坂)
多摩美術大学版画専攻卒業展示(文房堂・神保町)
2016年度多摩美術大学美術学部卒業制作展・大学院修了展(八王子)
2018年 「タケダART・HELP」プロジェクト『克服』日露合同展(モスクワ市・サンクトペテルブルク市)
『西洋版画を見るーエングレービング:ビュランから生まれる精緻な世界』画像演出、講座アシスタント(西洋美術館・上野)
公益財団法人佐藤国際文化育英財団『第27回奨学生美術展』(佐藤美術館・千駄ヶ谷)
◆インフォメーション
エングレービングという最も古い銅版画技法を用いて、中国の古代哲学やSF、大自然をはじめ、生活の中に感じたことや思ったことをめぐって制作します。物事に対して、自分の気持ちを素直に作品に取り入れることを常に心掛けています。銅版画の他、イラストや絵本も描いています。夢を見ることが大好きです。