河合桂 / KeiKawai
● 主な技法：乾漆 蒔絵
私は漆を使って制作しています。
漆とは樹液のことで、塗ることでそのもの自体を丈夫にし、また接着剤として、日本古来人間の生活を支えてきました。
樹液を加工した漆を使い、塗りと研ぎを繰り返すことで独特の艶を表現することができます。
さらに蒔絵や螺鈿など漆特有の技法(加飾)があります。
私は、主にこの加飾に力を入れて制作を行ってきました。
それは模様を描くという行為に、自分では気づかない、心の奥深くに潜んでいる祈りや想いなど、根源的な部分に近づいていくような感覚を覚えるからです。
また、異素材と漆を組み合わせることで、漆の素材感を引き立たせたり、生漆(漆の木から採取した樹液)を布や和紙に染み込ませて漆本来の表情をみせたりなど、素材の可能性を引き出せないか試行錯誤しています。
私は漆という自然が生み出した素材に対して、優しく、でもどこか恐れに近いエネルギーを強く感じています。
そのエネルギーを感じてもらうための、形や装飾、空間を模索しています。
河合桂 Profile
1996年 兵庫県生まれ
2022年 京都市立芸術大学美術研究科漆工専攻 修了
◆受賞歴
2022/2 京都市立芸術大学制作展 大学院市長賞
2020/2京都市立芸術大学制作展 漆工奨学賞
◆展示歴
個展
2022/2 河合桂個展(大阪)
グループ展
2022/2 Art Continuation Project 第2回(阪神梅田本店)
2022/10 第6回ファーストパトロネージュプログラム (東京)
2022/9 Art Continuation Project 第2回(阪神梅田本店)
2022/8 丹波笹山まちなみアートフェスティバル(兵庫)
2022/4 Art Continuation Project 第1回(阪神梅田本店)
2021/10あいづまちなかアートプロジェクト2021(福島)
2021/7 漆ふたり、(京都)
2019/9クラフトAndアート丹波篠山「いらか」2019(兵庫)
◆インフォメーション
私は京都市立芸術大学で学部・大学院共に漆工専攻に所属し、日々制作に励んでいました。
漆工専攻の中で、加飾という主に蒔絵や、螺鈿、卵の殻を使って装飾する卵殻という技法を中心に、原型制作から加飾までの工程を全て行なって制作していました。
現在は、中学・高等学校の非常勤講師をしながら制作を続けています。