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池袋アートギャザリング公募展
IAG AWARDS 2025 EXHIBITION
25/11/21[金]-25/11/30[日] @ 東京芸術劇場 5F Gallery1&2

artist / painter
芹澤美咲 / SERIZAWA Misaki 

● 主な技法:油画

今回は、2025年3月に淡路島で滞在制作した作品を展示したいと考えています。
関東平野の中心で育った私にとって、淡路島での滞在制作は、海や山に囲まれた環境に身を置く新鮮な体験でした。通う空気や時間の流れかたがこれまで感じていたものと異なり、その変化に触れることで、私自身の感覚や思考、そして絵の表れ方までもが変わっていくことを実感しました。変容し続けるこの世界に生き続けるとき、私の絵もまた変わり続けます。

滞在中、「大きな耳を背負う」というイメージに出会いました。淡路島の家具職人さんの工房を見学させていただいたときのことです。島の木を用いて作った、通常の椅子よりも三まわり程大きな椅子に座らせていただくと、木の幹に寝転ぶような安心感に包まれました。そして広い背もたれは空気の通い方を変え、伝わってくる音の振動が繊細に感じられました。たくさんの小さな声を抱き留めながら、静かに"自分自身"を生きる姿のイメージが浮かんできます。背負うことは重いだけではないのだろうということが分かります。その重みがあってこそ、確かな足取りを保ち、本当の望みや自分のすべきことへ向かい、たくさんの思いを汲みながら目指し続けることができるのではないでしょうか。
今回の展示では、その象徴となる大作「大きな耳を背負う」を中心に、光との融和を描く「ボラ、なだらかな融和」、土地の記憶や素材を取り込んだ「土をくくむ」をあわせて展示したいと考えています。「土をくくむ」は床置きとし、壁掛け作品と対比させながら視線の動きにコンセプトを反映させました。

池袋は私の住む場所からも近く、小学生の頃から親しんでいた土地です。そのような土地に、また遠くを旅した記憶を介した私の作品が展かれることは、なにか新しい感覚をもたらしてくれる気がしています。
他者の声と内なる声が交差する場に身を置き、変化を受け容れながら安心して生きる。それは情報量の多く速度の速い現代では、私には随分と難しく感じられてしまいます。しかしその感覚を、身体と心はきっと忘れていないでしょう。自分の立っている地を確認し、光を眺め、耳を澄ませていく。これらの作品を通じて、観てくださる方々と少し空気の通る居場所を共有できればと願っています。

芹澤美咲

芹澤美咲 Profile

2002年 埼玉県生まれ

2020年 埼玉県立芸術総合高等学校 美術科 卒業

2024年 東京学芸大学 教育学部 中等教育教員養成課程 美術専攻 卒業

2025年 東京芸術大学大学院 美術研究科修士課程 絵画専攻壁画研究分野 2年

◆受賞歴
2023 『FACE展2023』SOMPO美術館、入選
2022 『第18回世界絵画大賞展』東京都美術館、入選
2022 『FACE展2022』SOMPO美術館、入選

◆展示歴
個展
2025 『光を象るために溜めた陽と術、手』 REIJINSHA GALLERY、東京
2024 『鏡を立てる、骨盤を立てる、私を歩く』Art Space 銀河101、東京
2023 『words to sea』小屋+kop × 芹澤美咲 KOGANEI ART SPOT シャトー2F、東京
2023 『ひとりとひと』haco -art brewing gallery-、東京
2022 『じぶんの覺えかた』haco -art brewing gallery-、東京
主なグループ展
2025 『脈白』淡路島滞在制作成果発表展 ooc tokyo office、東京
2025 『話したいことがあるの』Art Gallery Shirokane 6c、東京
2024 『ちょっと寄り道しませんか vol.3』
Gallely 10[TOH]、東京
2024 『窓をあけて、裏白がみえて、』gallery TOWED、東京
2024 『第72回東京学芸大学美術科卒業・修了制作展』東京学芸大学 芸術館

◆インフォメーション
繊細な感性で心の動きを丁寧に汲み取り、表出されるまでを描く。人間存在、自己について考えながら制作している。認識と自覚、表出されるまでのこと、そしてまた知覚し合うことについて。油画を中心に多様な素材での表現を模索している。
現代社会で「自分自身」を誠実に生きるために、自己や存在について考えながら顔を用いて日々描き続け、自覚をし、表れたことについて分析して他者と共有し、感情・実存の自覚と受容を促すことを試みている。