林銘君
林 銘君 / LIN MINGJUN
● 主な技法:日本画
薄明とは、夜と昼のあいだに現れる、わずかに光が差し始める時間である。
闇はまだ残り、光もまだ完全には訪れていない。その曖昧な境界の中で、ものの輪郭はゆっくりと現れ始める。
本作では、屏風を窓のような格子構造として用い、その中に烏の影が重なり合いながら現れる。
烏は実体としてではなく、影としてのみ現れ、格子の中を移ろいながら繰り返されていく。
影は光にも闇にも属している存在であり、そのあいだに揺らぐものである。
それはまさに「薄明」が示す、まだ名前を与えられていない過渡の時間のようでもある。

林 銘君 Profile
1995年 東京都生まれ
2023年 多摩美術大学大学院修士 修了
2026年 東京藝術大学大学院博士 1年
◆受賞歴
2022年 第9回 未来展 美術大学学生支援プログラム 最高賞(日動画廊)
第57回神奈川県美術展 特選賞(神奈川県民ホールギャラリー)
第40回上野の森美術館大賞展 入選
2023年 日本の絵画2022 大賞(永井画廊)
2024年 夢美エンナーレ 準大賞(夢美術館)
第59回昭和会展 昭和会賞 (日動画廊)
第三回 三越伊勢丹・千住博日本画大賞展 大賞(日本橋三越本店)
第42回 上野の森美術館大賞展 賞候補
2025年 第8回宮本三郎記念デッサン大賞展 優秀賞
◆展示歴
2022 「カラダになり」(美の舎/東京都)
2023 「重重」(Yu harada ギャラリー /東京都)
2024 「霧」(新⽣堂/東京都)
「林銘君展」(永井画廊/東京都)
「ART FAIR ASIA FUKUOKA 個展」 (靖雅堂 夏⽬美術店/福岡)
2025「夏の心美展」林銘君新作展(ピサ ロイヤル店ギャラリー)
◆インフォメーション
作品は作家自身の個人的な経験に根ざしながらも、内と外のあいだの流動や、個と集団の緊張を象徴している。
蝸牛は屏風の内外をゆっくりと行き来し、烏は集まりと散りによって黒い群像を形づくる。
墨で黒と白の静かな画面を通じて、日常に潜む平凡と不安の気配を描き出す。
