LIU JIALIANG / LIU JIALIANG
● 主な技法:手描きアニメーション、VR
実材による手描きアニメーションには特別な魅力が存在する。描画材の個性によって絵肌の多様な表現が可能になり、さらに紙の質感に加え特殊な素材感や物質感が表現できる。また、一コマずつ紙に手で描くことでコマに差が生じ、独特な躍動感も得られる。VRコンテンツは伝統的な映像の四角い枠を捨て、それによって360度見渡すことができ、まるでその空間に入り込んでいるかのように感じることができる。この二つの特徴を組み合わせれば、手描きの世界に没入する感覚が得られるという発想は私が手描きVRアニメーションを作り始めた訳である。
人間は過去を記憶する際、一体何を記憶しているのか?明らかにそのままの現実じゃないだろう。発生した現実を記録した記憶を何度も何度も再現する際、その記憶は何度も再構築され、個人の想像や幻想を加え、非現実的で、まぼろしのモノになる。つまり、人間の記憶は自分の気持ちや精神世界を反映している幻想的なモノである。記憶は実に幻想だと言えるだろう。『記憶のトポスII 幻化』は私の記憶にある場面を表現している。私が京都の美しい哲学の道に立っている時の記憶を再現し、目で確実に見ていた哲学の道が一刻で幻想となった。
LIU JIALIANG Profile
1990年 中国生まれ
武蔵野美術大学
2023年 武蔵野美術大学博士後期課程 4年
◆受賞歴
VR徳島映画祭
Tokyo International Short Film Festival
International World Film Awards
ASIA DESIGN PRIZE
European Cinematography AWARDS (ECA)
◆展示歴
XRクリエイティブアワード2022
Ivy Film Festival
New Media Film Festival
*/ 18th Athens Digital Arts Festival | FutuRetro
Sweden Film Awards
◆インフォメーション
アニメーションを通して、無限の可能性を秘めた空間と時間を創り出すことができると思い、それからずっと手描きのアニメーションに身を投じています。 心の中で、デジタルアニメーションと比べ、伝統的な手描きアニメーションはアートワークの核となるオリジナリティ、つまり、「L'AURA」を持っていると強く思っています。このオリジナリティは、伝統的な手描きアニメーションだけに存在する「今」と「ここ」ということであります。 現在武蔵野美術大学で行っていることは、伝統的な手描きアニメーションをVRフィールドに適用しようと努力していることです。VRの世界で人々が「L'AURA」を感じることと期待し、新しいメディアに「L'AURA」を注入することを目指しています。