2020/6/25 thu. - 29 mon. @ KONOYO.net
水口麟太郎「 RINKAKU-解ける饅頭- 」
- ID
- exid547wid522
- 技法
- ホットメルトボンド、グラスファイバー、低反射塗料、樹脂、発泡材
- サイズ
- 150 x 150 x 130mm
- 制作年
- 2020
- 制作点数
- 1
- Edition
- 販売点数
- 1
- 価格(税込)
- 198,000円(税込)
- 特記事項
- 小さく透明な「水の花」ユニットは私の没頭,そして自由の形だ。小学校の図工の時間で出会い,私を感動させたホットメルトボンドという素材。フランスでの滞在生活の中で生み出した,ボンド自体を主役にする技法だ。
通常の白濁としたボンドではなく,パリのショップを巡って見つけたうっすらと青く,透明度の高いボンドを使用している。グラスファイバーを芯にして,熱したボンドを伸ばして漢字の「水」をモチーフとした花弁をつける。花弁の作成には,書道の基礎「払い」の技法を用いている。ボンドが固まるのを待ちながら,徐々に細く伸ばしていき,完全に冷え固まる前に形を微調整する。両腕の動きに集中し,ボンドの状態とにらめっこしながら,10分かけて丁寧に1つの花を仕上げていく。
1つ1つが微妙に異なる水の花は人の思考の揺らぎやエゴイズムを象徴し,六角形をベースとした花の1つ1つが繋がことで均一ではない多彩な表情を作り出すことで,万物の,目に見える形だけではない内面の輪郭を浮かび上がらせる。
饅頭は、中国にて荒ぶる川の神を49の人の頭と牛、羊を供物に捧げて沈めていた悪習を、諸葛亮孔明が小麦粉を練ったものに牛、羊の肉を詰めて人の頭の代用としたことを起源にすると言われている。
現代社会では外面のために内面を犠牲にする光景が多く散見される。様々な外的要因もしくは内的要因がストレスとなり、彼らを苦しめている。それでも彼らは日々強く美しくあろうと奮闘するのだ。
「解ける饅頭」は彼らの歪な内面から生まれる輪郭が、それでも美しく咲き誇ろうとする奮闘の光景を代弁してくれる現代の饅頭だ。
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